日中交流

中日友好の実践者、白西紳一郎日中協会理事長が 「不東」の信念貫く 2015.11.12

「中国の皆さん、大家好!」。東京で行われる各種中日交流活動の来賓席に、いつも同じ白髪のご老人の姿がある。司会者が紹介すると立ち上がって中国語で大きな声で応える。日本の中国友好団体「日中協会」の白西紳一郎理事長は、過去50年間で海外渡航回数は600回を数えるが、その目的地はたった一つ、それは中国である。
 白西理事長は毎年頻繁に中日間を往復し、75歳の高齢を迎えた今年も、上半期だけで5、6回は中国を訪問、9月には中国人民抗日戦争勝利70周年記念行事に参加している。
 白西さんが毎年の訪中で必ず組み入れるスケジュールがある。それは南京に出向いて南京大虐殺の被害者の冥福を祈ること。今年の4月も30名余りの日本人有識者を率いて南京を訪問しており、この活動は1987年より始まり途絶えたことはなく、参加者はのべ1000人を数えている。
 白西理事長は「日本で唯一中日友好を生涯の職業とする人物」とも呼ばれ、中日友好に固い信念を持ち中国以外はどこの国にも行ったことがない。その理由を「不東」のと説明。衆生を救うためにと天竺へ取経の旅に出た三蔵法師は、真経を手にできなければ東へは行かないと誓ったという。つまり、真経を手にできなければ帰らないという意味である。三蔵はそうした強い意志を刻み、多難の道中を経て最終的に取経に成功する。この物語は白西さんを心服させるとともに、「不東」は生涯の信条となり、中日友好事業に従事することへの決意となったと述べている。
 戦後70年になるが、中日関係は依然様々な問題を抱えている。こうした情況に白西さんは、「当面の急務は日本が平和憲法を維持することであり、同じ過ちを繰り返さないこと。また、日中両国は互いに相手を軍事的脅威と看做すことなく、相互信頼関係を構築しなければならない。両国の人口から見れば人的交流は依然少なく、引き続き各レベルの往来を増やして相互交流を増進させなければならない」と指摘している。
          人民日報日本語版2015年11月10日から引用

日中友好親善で中野良子さん 両国関係の「真優美」な未来を共に 2015.12.09

11月14日、北京市内にある北京外国語大学で、俳優・高倉健さんの一周忌に合わせた「高倉健映画回顧展」及び映画『君よ憤怒の河を渉れ』の上映会が、国際交流基金北京日本文化センター、北京日本学研究センターと在中国日本大使館の共催で開かれた。イベントには、この作品で高倉さんと共演した女優の中野良子さんも参加し、中国の観客と交流した。1978年、文化大革命後に初めて上映された日本映画として「君よ憤怒の河を渉れ」は中国で大ブームを引き起こした。無実の罪を着せられた検事が命を掛けて身の潔白を証明しようとする物語は、文革が終わり冤罪からの名誉回復に苦しんでいた中国社会に共感され、数億人の観客が主人公「杜丘」とヒロイン「真由美」と共に「憤怒の河」を渉ったのだった。それから37年、北京を訪れた中野さんはイベントの合間に本誌の単独インタビューに応じて、高倉健さんの人柄や撮影の際のエピソードを披露し、自ら携わった日中友好事業を振り返り、日中関係や日中友好の未来についても語った。
 中野良子さんは最後に以下のように語った。
現在の両国関係はかなり冷え込んでいますけど、明日は仲がよくなると思います。ただ、両国の未来には、これからも風が吹く、雨が降る、精神的に泥水になる、そういうことは起きるでしょう。そうした時のために、自分を見つめ直す、相手の立場からみる、宇宙という大きな視点から世界をみる、という三つの眼差しを常に持つことが大事ですね。そして、日中間の政治、経済、文化、すべての土台をもっとしっかりしなければならないと思います。当時は日中関係があまりにも早く動いたんですね。あまりにも早く動いたから、土台がまだできていないうちに、その上に家を建てた印象があります。だから、もう一回最初に戻って、土台づくりから、老若男女が参加できるような枠組みをつくって、両国関係の「真優美」な未来を共に開きましょう。

インタビューに答える中野良子さん(人民日報から引用)

2015 日中交流のキーワード 2015.12.27

1、ジャカルタで中日首脳会見
 4月22日、インドネシアの首都ジャカルタで行われたアジア·アフリカ会議に出席した習近平国家主席は、日本の安倍晋三首相と会見。これは2014年11月に北京で行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議期間中に実現した両国首脳の顔合わせ以来のものだった。
2.中日友好交流大会
 5月23日、習近平国家主席は人民大会堂で中日友好交流大会に出席、政治、経済、観光、芸術などの各界から参加した日本友好人士3000人余りを前に、重要講話を行った。習主席は、中日双方が歴史をかがみとし、未来に目を向ける精神に基づき、中日四つの政治文書の基礎の上に、平和と発展を促進し、代々の友好を図り、共に両国発展の素晴らしい未来を築き、アジアと世界の平和に貢献していくべきであると述べた。
3.安倍談話
 8月14日、日本の安倍晋三首相は閣議決定の形で「戦後70周年談話(安倍談話)」を発表。安倍首相はこの談話の中で「わが国は、先の大戦における行いについて、繰り返し痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。こうした歴代内閣の立場は、今後も揺るぎないものであります」「事(日本は)変、侵略、戦争、いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」「(日本は)植民地支配から永遠に決別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない」「先の大戦への深い悔悟の念と共に、わが国はそう誓いました」などと述べた。
4.新安保法案
 2015年9月、日本の朝野各党は安保法案修正をめぐり対決場面を展開。日本国内では安保法案修正反対の声が高まり、各界の民衆は戦後日本最大規模の抗議デモを行ったが、安倍政府は最終的に新安保法案を強行通過させた。
5.中日政党交流
 中国共産党中央政治局常務委員、中央書記処書記劉雲山氏が10月16日、北京で山口那津男公明党代表率いる公明党代表団と会見。劉氏は、公明党が長期にわたって中日友好に力を注いできたことを私たちは称賛する。中国の党と政府は終始、戦略的な高みと長期的な角度から中日関係を扱っている。中国共産党は公明党と各レベルの交流を強化し、中日関係の改善と発展をリードする重要な役割を果たしたいと述べた。
6.第11回「北京―東京フォーラム」
 中国外文出版発行事業局と日本の言論NPOが共催する第11回「北京―東京フォーラム」が10月24、25日、北京で開かれた。中日両国の政界や財界、学術界、メディア界の有識者500人以上が「困難と対策:いかに長期的、健全で安定的な中日関係を発展させるか―東アジアの未来と中日両国が果たすべき役割」という今回のテーマを中心に、両国の政治や外交、経済貿易、安全保障、文化、環境保護、観光、地方間協力などの分野に関わる重要な議題について率直で熱烈な討論を繰り広げた。双方は協力拡大の加速や危機管理を強化するメカニズムの構築、メディアが世論をプラスに導く責任を担う必要があること、観光・環境保護を中日協力の新しい成長点にすることなどで一定のコンセンサスを得た。
7.中日韓首脳会談
 3年半中断していた中日韓首脳会談が11月1日、韓国の首都ソウルで再び動き出した。中国李克強国務院総理と日本安倍晋三首相、韓国朴槿恵大統領が3カ国首脳会談に出席した。中日韓首脳会談の再始動は中日と日韓の間で近年悪化していた外交関係が改善されたことを意味しており、積極的な政治的意味を持つ。経済面でいえば、中日韓自由貿易区の設置に関する3カ国首脳の協議は東アジア地域の経済発展推進にも有利だ。
8.第1回中日企業家・元高官対話会
 第1回中日企業家・元高官対話会が11月13日東京で開催。双方からそれぞれ50人余りのトップ企業の責任者や政府の元高官が参加。中国代表団代表の曽培炎・元副総理は開幕式で、中日の経済貿易関係は中日関係の礎だ。将来の中国のモデルチェンジと発展、日本経済の復活には互いの支えが必要だ。双方は四つの政治文書の基礎に立ち、「歴史をかがみとし、未来に目を向ける」という精神に基づいて両国の善隣友好と協力を推し進めるべきだと指摘。
9.爆買い
 日本の2015年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で、中国人観光客の豪快な買い物を形容する「爆買い」が大賞を獲得。爆買いという言葉が日本でブームになった発端は2015年の春節。中国人観光客は驚くべき集中消費現象を巻き起こし、買物の1人当たり平均額は17万円を超え、消費総額は60億元(約1120億円)に達した。中国で「黄金週」と呼ばれる10月の国慶節休暇では、40万人の中国人観光客が7日間のうちに日本で100億元(約1870億円)を使い、日本に真の「黄金週」をつくり出した。彼らが日本製の温水洗浄便座・炊飯器を購入する現象は中日メディアに大々的に報道された。統計によると、中国人観光客の日本滞在期間中の平均支出額は2万5000元(約47万円)。

大阪堺市の飯炊き仙人、中国政府団体から招かれる   2016.01.08、4.28
半世紀の技を披露、そして中国で3年間滞在することになった。

大阪府堺市堺区にある大衆食堂「銀シャリ屋ゲコ亭」で、ご飯を炊き続けて半世紀の村嶋孟さん(85)が、中国政府から「米文化大使」として北京に招かれることになり、1月7日午後、大釜とお櫃、ざるを持って北京市へ向かった。爆買いで訪日した中国人ブロガーの書き込みで話題になり、米の消費拡大を狙う中国政府商務部の団体が企画した。堺市によれば2015年12月、「村嶋先生のご飯こそが、人々を温かい気持ちにさせ、日中友好の懸け橋になる」と依頼があったという。
 1月12日、北京市内のホテルで美食家ら約100人に日本の飯炊きの技を披露した。催事名は「一杯の白ご飯体験イベント」。当日は、村嶋さんがホテルのステージで米の研ぎ方を説明。日本から持ち込んだ3つの釜を使い、ガスで炊きあげた中国米をふるまった。経済専門家や経営者、農家、ネット情報発信者ら約100人が試食した。
 村嶋さんは堺市堺区に1963年”銀しゃりゲコ亭”を開店。飯炊きのコツを「1に水、2に水、3に水」とし、炊きたての白米にこだわり「飯炊き仙人」と呼ばれる。
今後、村嶋さんは家族で中国に滞在し、3年かけて中国で産地を回って良い米を見つけ、飯炊きの技を伝授する。中国製炊飯器の開発にも携わるという。そして、堺の店は営業を継続するが引退するという。

飯炊き仙人 村嶋孟さん

中国の希望小学校をご存知ですか?             2016.01.14
哈爾濱市が、日本人が建てた希望小学校を売却

「希望小学校」とは中国の貧困地域に、民間のお金と寄付でつくられた学校のことを言う。学校で学びたいという思いをもつ子どもたちのために、中国青少年発展基金会により中国青少年基金会が1989年から進めているボランティア運動(希望小学校の建設、希望文庫の寄贈、農村教師の養成の3本柱)の一つです。
「希望工程」(PROJECT HOPE)は、募金により小学校を建設し、その小学校は「希望小学校」と名づけられる。校舎建設の他、文具の提供や教師の育成も行われています。この運動に、中国にある日系企業やボランティア団体、日本の個人、また日本との取引が多い中国系企業が資金を提供し希望小学校の建設に応援しています。
◇黒龍江省哈爾濱市での珍事
 古い話ですが、2012年4月17日、中国黒竜江省哈爾濱市双城市で日本人男性の寄付で建てられた「希望小学校」が売却されることになり、地元住民から不満の声が上がった。売却が決まったのは同市金城郷楡樹村の「笠野原希望小学」。2002年に日本人男性の寄付で建てられた、村で唯一の小学校だった。同村はわずか450世帯余りの小さな村。
 村側の言い分によると、学校を建てた時に村が約20万元(約260万円)を借金して負担したが、いまだに返済のめどが立たないため、思い切って同校を売却することにした。50万元(約650万円)ほどで売却し、代わりに別の場所に小さな校舎を建てる予定と言っていた。
 これに怒ったのが村民たちは、「まだ10年しか使っていないのにもう売ってしまうなんて」とやり切れない様子。楊聖峰校長も「村が決めたことなので、従うしかない」とあきらめ顔だ。楊校長によると、現在の児童数は84人。「これほど設備が整った学校はほかにない。離れたくないのだが…」と語る。
 同村の幹部によると、すでに数人が購入の意思を示している。村側は「教室の半分は使われていない状態。学校を囲む塀もなく、雨漏りも始まっているため、決して安全とはいえない」としている。

売却された哈爾濱市の希望小学校

中国の友好都市は世界でいくつ?           2016.03.22

北京晨報が3月19日付けの記事で、2015年7月時点で、中国の海外友好都市は2,209都市になり、世界で友好都市が最も多い国になったと発表。
 中国が初めて世界で友好都市を結んだのは、日本の神戸市と天津市である。これは1973年に周恩来首相の関心と支援を受けて締結された。
現在、中国との友好都市が最も多い国ベストフォー
 日本:249都市、米国:244都市、韓国:169都市、ロシア:115都市。